[犬しつけトレーニング]ふせ

「犬を訓練するなんて、プロの訓練士さんにしかできないでしょ?」と思っていないだろうか。実は私もそう思いこみ、自分の犬に何もしてこなかった口であった。しかし素人の私にもできる方法があったのである。「クリッカー」である。私の驚きと感動の体験記を見てもらいたい。そして「私にもできるかも」と思ってもらえたらうれしい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

どんなことに役立つの?

ふせは、いろいろな場面で活用することができます。お客さんが来たときや、ごはんのしたくをしている間など、じっとしていて欲しいときにふせしてもらえば、人間も安心、そしてとてもお行儀がいいですね。ふせを、苦痛の姿勢ではなく、たくさん誉めてもらえる楽しい姿勢として学習してもらえるように、楽しく教えましょう。

教え方

  1. 左手にクリッカー、右手にご褒美を小さくしたものを持ちます。
  2. 足を前に出し、犬がくぐれない位の高さで、ひざを曲げます。
  3. ひざの左側に犬をおすわりさせます。
  4. 右手に持ったご褒美を、曲げたひざの下から犬に見せます。
  5. ご褒美を犬の鼻先につけて、ひざの下を通って、右側に移動させると、犬がご褒美に誘導されて、ひざの下をくぐり、自然とふせの姿勢になります。
  6. その瞬間にクリッカーを鳴らしご褒美をあげます。

ポイント

この手順は、ふせがまだ上手できない犬(子犬に初めてふせを教えるときや、ふせの姿勢を覚えていない犬など)にふせの動作を教えるあげるときに有効です。

発展させよう

ご褒美で誘導してなくてもできるように

ひざの下からご褒美を見せ、ふせできるようになったら、次のように、少しずつ誘導をやめていきましょう。

  • ご褒美を持たず、持ったふりをして同じように手を動かしてふせができたらクリッカーを鳴らす。
  • ひざの下から誘導することをやめる。手の動きだけは同じように動かし、上手にふせができたらクリッカーを鳴らす。

合図を教えよう

あなたの犬に「ふせ」って言われたときにすわる誉めてもらえるよ、ということを教えてあげましょう。こうして、「ふせ」という合図によっておすわりができるようになります。

  • 最初は、ふせすると同時に「ふせ」と言ってあげます。
  • 徐々に、ふせしそうになっているときに「ふせ」と言います。
  • 徐々に、ふせをする前に「ふせ」と言います。

いずれの場合にも、「ふせ」を合図にふせすることができたらクリッカーを鳴らしてごほうびをあげます。

「ふせ」と言っていないのにふせしてしまったときには、クリッカーを鳴らさなくてもかまいません。こうすることによって、「ふせ」と言われていないときには、ふせすることが減っていきます。

場面を変えましょう

部屋の中で上手にできるようになったとしても、外で同じようにできるとは限りませんね。玄関先や、屋外、公園など、いろいろな場所で練習しましょう。また、ごはんをもらう前、あなたが帰ってきて大喜びしているようなとき、猫や鳥が近くにいるとき・・など、より集中しにくい状況でも上手にできるように、あらゆる瞬間をとらえて練習してみましょう。そして、いろいろな場所、場面でできるようになっていくことを犬と一緒に喜んであげてください。

時間を延ばしましょう

より長い時間ふせできるようにしましょう。それには、ふせをしてから、クリッカーを鳴らすまでの時間を少しずつ延ばしていきます。最初は1秒、次は2秒、というように、少しずつ時間を延ばしましょう。

組み合わせましょう

アイコンタクトができるなら、ふせした後でアイコンタクトするように教えてみましょう。ふせをしたら、アイコンタクトするまで待ち、アイコンタクトした瞬間にクリッカーを鳴らしましょう。