[犬しつけ理論]問題行動を身につけさせない方法

犬の行動について勉強したことのある人は、その難解さに頭がこんがらがった経験があるのではないだろうか。そのややこしい理論をすっきり見せてくれるのが、「3つの箱と4つの法則」である。専門用語の代わりに「箱」を使って解説したこの方式を筆者自ら勉強した結果をここにご紹介し、みなさんに役立てていただこう。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

例2

あなたの犬は、ご機嫌にぬいぐるみで遊んでいます。でもぬいぐるみの端が破けて綿が出てきてしまいました。綿を食べてしまっては困るので、ぬいぐるみを取り上げて、このぬいぐるみで遊ぶことをおしまいにしてしまいたいと思っています。

これから先、どうなる?

あなたがここで、カールからぬいぐるみを取り上げたらどうなるでしょうか?

「ちょうだい」
人間が手を出す
おもちゃを放す
おもちゃが引き出しの中にしまわれる

の箱についている三角は下向きですね。ここであなたがぬいぐるみをとりあげたら、遊んでいたおもちゃ(うれしいこと)が犬の手元から消えてしまい、おもちゃを放さないことを学習してしまいます。おもちゃを取り上げ遊びを終わりにする、ということはしない方がよさそうです。

もう絶対渡さないんだからっ。だって、アタシの大事なおもちゃ、取っちゃうんでしょう?そんなのイヤだもの。プン!

どうしてあげるといいかな?

・・とは言っても、綿の出ているおもちゃをそのままカールに与えていたのでは、綿を飲み込んでしまうかもしれません。どうすればいいでしょうか?

「ちょうだい」
人間が手を出す
おもちゃを放す おもちゃが引き出しの中にしまわれる
おもちゃを放す
もっと好きなおもちゃがもらえる

え?「ちょうだい」ですって?もっちろん、いいわよ!だって「えらかったね。大事なおもちゃ返してくれてありがとう」ってママ、ご褒美くれるもの。ね?ママ、アタシえらいでしょう?”ちょうだい”上手にできたでしょう?

おもちゃを放した後に、取り上げるおもちゃと同じくらい好きか、それより好きなおもちゃを渡してあげたらどうなるでしょうか?今度は、おもちゃを放した後に、もっとうれしいことがカールに起こることになりますね。おもちゃを取り上げるという機会が、おもちゃを放すことを学習させてあげる機会にもなります。

このように接するために、私たちがしておかなければならないことは何でしょうか?「今、犬に与えているよりも好きなおもちゃ」が何なのかを意識しておくということです。そんなことわからない!という方は、この機会にぜひ「このおもちゃと、このおもちゃ、この子にとってはどちらが好きなものかな」ということを頭の片隅に置きながら、犬が楽しそうに遊ぶ様子をじっくりと観察してみてください。いろいろな種類のおもちゃやガムを準備しておいたり、新品のものが好き、という犬の場合には、買ってきてすぐに与えてしまうのではなく、このような「より好きなおもちゃ」が必要になるときのためにとっておいてもいいでしょう。


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