[犬しつけ理論]犬の叱り方5

犬の行動について勉強したことのある人は、その難解さに頭がこんがらがった経験があるのではないだろうか。そのややこしい理論をすっきり見せてくれるのが、「3つの箱と4つの法則」である。専門用語の代わりに「箱」を使って解説したこの方式を筆者自ら勉強した結果をここにご紹介し、みなさんに役立てていただこう。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

”即効性”の罠にはまらないで!

叱るということは、その効果が一時的なものにせよ、叱った直後にその効果を実感できるがために、一度それを体験すると人間がそのとりこになってしまうという特徴があります。人間の「叱る」行動を中心に据えてみると、こんな3つの箱が出来ます。

犬が困った行動を起こしている(いやなこと) 叱る
犬が困った行動をすぐにやめる(いやなことなし)

簡単に実感できる「いったんはやめてくれた」という事実に引き換え、いやなことに遭遇した後の副作用には、なかなか気がつきにくいものです。でも、あなたの犬が何かを簡単にやめてしまったということは、「簡単にやめてくれてよかった!」のではなく、「その行動をやめざるを得ないほど、よっぽどいやなことだったに違いない」証拠なのです。そして、「やめなくてもいいことまでやめてしまって、元気のない子になっていないかな」(何がいけないのかわからない)、「やめたけれど、どうすればいいかわかっていないのではないかな」(どうすればいいかわからない)、「いやなことから自分の身を守るために、逃げ出したり、噛みついたりすることを学習しなかったかな」(自分の身を守る)という副作用にぜひ注意してあげてください。そして、どうぞ、叱りたくなったときにこそ3つの箱と4つの法則を使って、犬と一緒に楽しく前向きに、あなたの悩みが解決できるようなアイディアを見つけてください!


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