[犬しつけ理論]うまくいかないときのチェックポイント

犬の行動について勉強したことのある人は、その難解さに頭がこんがらがった経験があるのではないだろうか。そのややこしい理論をすっきり見せてくれるのが、「3つの箱と4つの法則」である。専門用語の代わりに「箱」を使って解説したこの方式を筆者自ら勉強した結果をここにご紹介し、みなさんに役立てていただこう。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

かつてはできていたのに、ある時からパッタリやらなくなってしまった、ある時から急激にできなくなってしまった。もしそんな傾向が認められるなら、原因は「いやなことが現れる」か「うれしいことが消える」かもしれません。

原因1:「いやなことが現れる」

名前呼んでも来ない、だって?「おいで」って言っても来ない、だって?そりゃそうさ!いやなことに遭遇しないためにはどうすればいいのか学習できるなんて、ボクたち賢いだろう?

お母さんから「おいで」と言われ、ラッキーは元気よくお母さんのもとへ駆け寄りました。お母さんはラッキーをだっこして、お風呂へと消えていきました。

「おいで」と言われる 駆け寄る

嫌いなお風呂に入れられる

「おいで」と呼ばれてせっかく駆け寄ってきたのに、その後いやなことが起こったのでは、あなたの元へ戻らないことを学習してしまいます。

どうすればいいの?

「おいで」と言われる 駆け寄る

嫌いなお風呂に入れられる
「ごほうび」

「おいで」と言って、犬を呼び寄せることができるようにしておくことは、とても大切なことです。この先その一言で、あなたの犬を危険から守ってあげるような場面に遭遇するかもしれません。「おいで」でいつでも戻ってきて欲しいのなら、戻った後でラッキーにとってうれしいことが起こるようにするようにするとともに、いやなことが起こらないようにしなければなりません。お風呂の前に、ラッキーを呼ばなければならないときには、おやつで誘導するなど「おいで」以外の方法を使うことにすれば、少なくとも「おいで」で来なくなることだけは防ぐことができます。

この話には、もうひとつの問題があります。ラッキーにとってお風呂が”いやなこと”である、ということです。お風呂は犬の体を清潔に保つために必要なことですね。これから先、お風呂のたびにラッキーがいやな思いをするのは、ラッキーにとって幸せなことではありません。「苦手を克服しよう」を参考に、ラッキーにとってお風呂が少しでも楽しい時間になるように工夫してあげるといいでしょう。そしてそれが克服できたときには、お風呂という大好きなものを「ごほうび」に、「おいで」が学習できる、という好循環が生まれるかもしれませんね!

「おいで」と言われる 駆け寄る

大好きなお風呂♪お風呂で大好きなガム・水遊び♪


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