不服従は必ず治る

カチンカチンとクリッカーを鳴らすだけでたちまち犬が変わるという「わんわんワクチンシリーズ」。今話題の最新問題行動治療法をいち早くご紹介しよう。

Q.犬のしつけには最適な時期があります。それはいつでしょう。

1. ~6か月
2. ~1歳
3. ~2歳
4. 2歳~

手順

意外なことに、このトレーニングは犬の名前を呼ぶことから始まる。犬も急にさわられたのではビックリしてしまう。名前を呼び犬が「なに?」とこっちを向いて心の準備ができたところで触るようにすると、警戒心を抱きにくくなるというのだ。

さて、このトレーニングが面白いのは、 ほんの少しほめる条件を変えていくだけで、アイコンタクトの練習が「嫌がらずに全身を触らせる」の練習にいつのまにかなっているという点だ。「アイコンタクト(呼ばれたら視線を合わせる)」と「全身を触れるようにする」はまったく違うことなのに、である。ここには難しい項目はひとつもでてこない。この「易しいことを条件を変えながら繰り返す」という点が、どんな犬でも無理なく取り組める理由だ。

著者の言葉

これは、実際にある飼い主さんのために作成した私にとって思い出深いものです。何年も前のことになりますが、当時私は、行動上の問題を抱える犬のカウンセリングを動物病院からの依頼で行う仕事をしていました。その犬は、とても警戒心が強く体を触ろうとすると人に容赦なく唸って噛みつきます。触られることを嫌がることの原因が、病気や怪我でないことが獣医さんによって確認された後、私の出番となったわけです。

「このままでは手放さなくてはいけなくなる」と飼い主さんは切羽詰っていました。「犬はなぜ噛みつくのか」なんて(本来ならするべき)話をするような場面では決してありません。あのとき飼い主さんに必要だったのは「今すぐできること」。易しく、楽しく、「この子にも必ずできる!」と希望を持ち続けられるような方法。それが、今回の「ワクチン」です。

原稿を書きながら「さわったらうれしそうな顔したんですよ!!」と今にも泣き出さんばかりの声で電話をくれたあの飼い主さんの姿が思い出されて胸が熱くなりました。あの体験が、こうして電子書籍となり、今再び誰かのお役に立てることに深い感慨を覚えずにはいられません。

アニマルハートアドバイザー おだふみこ(談)