[犬愛しつけ法]叱らないしつけ法1

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

探していたもの(1):スタートライン(第10号, 2006/2/6)

白状しましょう。今でこそ、飼い主さんたちに「しつけ指南」をさせていただいている私も、7年ほど前までは、知識どころか興味さえない「不勉強」としか言いようのない飼い主でした。

うちの犬が子犬だった頃、その「悪っぷり」は目に余るものがありました。よく噛み、よく鳴き、よく飛び、よく走り。サークルに入れば鳴き叫び、出せばおしっこの水溜りをあちこちに作る。おとなしいと思ったら、カーテンを相手にひっぱりっこ。その裾をものの見事に下ろして周り、抱き上げてみれば、着ていたセーターにかぶりつきビヨーンと引っ張ってあっという間にメチャクチャにしてくれる・・。

「寝てれば天使。起きれば悪魔」。さんざん魔黶A私を困らせた挙句の果てに、それまでのことなど嘘のような顔をしてコテンと眠りこける姿を見ながら何度その言葉をつぶやいたことか。

「この子は一体どうなってしまうのだろう?何かしなくちゃマズイんじゃなかろうか」。そう思い始めたとき、私にはどうしても譲れないこだわりがありました。「何かするにしても、うちの子のイイトコロを消してしまうようなことは絶対にしたくない。そんな「しつけ」ならしなくていい」。

そう。あの子はとんでもないワルガキだったけど、いつでも私をその豊かな撫薰ナ釘付けにしてくれる子でした。「うわぁ、これなんだろう?」。初めてのものを目にしたときに見せる驚きと感動に満ちた撫﨟B「どう?見てよ!ボク、悪い子でしょ?」。私をチラチラと横目で見ながらイタズラする小生意気な横顔。どんな物をもおもちゃに変え、しっぽをブンブン振りながら遊んでしまう「遊びの天才」。

もっと元気に。もっとハッピーに。犬から奪うのではなく「プラス」を重ねてゆくような「しつけ」はできないものか。その答えを探す私の旅路はここから始まりました。(つづく)