[犬愛しつけ法]叱らないしつけ法3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

こたつ(1):え?乗っちゃうの?(第12号, 2006/2/22)

「こたつでみかん」のシーズンになると、我が家では愉快なことが次々と起こります。

数年前、初めてこたつを出したときのこと。もうそろそろゴハンをあげようかと、姿の見えなくなった犬を、ドッシリとこたつに根を生やしたまま、思いっきり声を張り上げて「おいで!」と呼びました。部屋の奥から少しずつ大きくなる足音。私に向かってまっすぐに走ってくる犬の姿。そしていつものとおり、私の正面でしっぽをフリフリ、体をクネクネ、満面の笑顔を見せてくれました。

ん?正面?そうです。カレが来たのは私の正面、つまり、こたつの上だったのです。まっすぐに駆けてきたカレは、私の胸に飛び込んでくるかのような勢いで、いとも簡単に飛びあがり、気がついたときにはこたつの上。そこには、実にご機嫌な撫薰ナ、私の目を真正面から無邪気に見つめる犬の顔がありました。

「え?」目が点になる私。「来たよ!どう?ほめてほめて!」こたつの上で大はしゃぎの犬。

しかし私は、決して「ダメ」とは言いません。そこで「ダメ」と言ったところで、うちの犬に何がダメなのかわかるでしょうか?「は~い!」という声が聞こえてきそうな撫薰ナ、元気よく駆けて来てくれたこと。私のすぐ近くまで来て、体いっぱいうれしい気持ちを浮オてくれたこと。その場所が「こたつの上」だったことを除けば、どれもみな「いつまでもそんな子でいてね」と思えることばかりなのです。

「ここでダメと言えば、確かにこたつに上がらなくなるかもしれない。でもそのときには、あんなにうれしそうに駆けてくることまでやめてしまうかもしれない。そんなの絶対に嫌だな」。そう思った私が、その場で絞ったささやかな知恵。それはこんなものでした。(つづく)