[犬愛しつけ法]叱らないしつけ法4

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

こたつ(2):キミはいい子?(第13号, 2006/3/2)

「え?叱らないの?それは、おださんちの犬がいい子だからだよね」。いえいえ、それは大きな誤解です。その証拠に「おいで」と呼ばれ駆けてきた犬が、そのままの勢いでピョンとこたつに飛び乗り、私の顔を満面の笑みで覗き込みながら無邪気にしっぽを振っている・・。私だって「こりゃ一体どうしたものか」と頭を抱えたくなるよう事態にしょっちゅう遭遇しているのです。

「こたつに上がっちゃダメッ!」。たしかにそのひと言は、のど元まで出てきていました。でもその言葉を飲んで、「○○してごらん」と言い換えてみます。「こたつの横を通って来てごらん、はどうだろう?」。

ドックフードを部屋のすみに向かって転がしてあげると、それを追いかけ、犬がこたつから離れます。そこでもう一度「おいで」と呼んであげます。今度こそ飛び乗ってしまわないように、こたつの横から「こっちだよ」と誘ってあげると大成功!「上手にできたね」とドックフードを一粒、犬の口に入れてあげます。

まるで、障害物を避けながらゴールまでたどり着くゲームを楽しむかのように、私たちは何度も何度もそれを繰り返しました。もう横から誘導してあげなくても、こたつに飛び乗ってしまうことはありません。こたつを上手に迂回して私の元へと駆けてくると、「どう?来たよ!」としっぽをフリフリ、体をクネクネ、満面の笑み。そう、それはこたつの上に飛び乗ったときに見せてくれたのと同じ無邪気な笑顔。

もしも、叱りたくなるようなことを何も起こさずにいてくれる犬のことを「いい子」と呼ぶなら、うちの犬は該当しないことでしょう。いつまでも子犬のような無邪気さで、周りの人間たちをハラハラさせては笑いの渦を巻き起こし、決して私を飽きさせないキミ。それでも私がほんの少し知恵を絞ることで「いい子だね」と言ってあげたくなる行動だってそれと同じくらい・・いえ、それ以上に生き生きと伸び伸びと楽しそうに学習していってくれるキミ。そんなうちの子は、私たち家族にとって助ェ過ぎるほどの「いい子」です。

もうすぐ春。こたつを片付けてさぁ外へ。次回は、犬とのドライブのお話をしたいと思います。(おわり)