犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
「もう2度と運転なんかしない」。20 歳の夏、普通免許を取得して自動車教習所を卒業するとき、私は固く誓ったのでした。
頭ではわかっているのに、どうしてもできない縦列駐車。対向車が来たとき譲ればいいのか行けばいいのかそれがわからない。譲ってみれば「どうして止まるのっ」と言われ、行ったら行ったで「危ないだろ!」と言われ、何度やってもその判断ができない。「私が車を走らせるなんて、そんな世の中のご迷惑になることできません!」そう思いながら卒業したのでした。
そんな私もペーパードライバー歴5年が過ぎたころ、あまりに大胆な友人の運転っぷりに妙な自信を得て「私にもできるかも・・」と意を決したのです。貯金をはたいて買った小さな車。町内を一周できる。買い物に行ける。海まで行ける。野を越え山を越え温泉に行ける・・。ドライブの距離は少しづつ伸び、ついにどこへ行くのにも何の躊躇もなく気軽にハンドルを握ることができるようになりました。
犬を褒めることは、車を運転することとよく似ていると私は思います。犬や犬を取り巻く状況を見て、褒めるべきか判断することがその場その場で求められます。「今だ」と思ったときにアクセルを踏みハンドルを切るように、「褒めなくちゃ!」と思った瞬間に適切なアクションを起こす必要があります。
「褒めるって本当に難しい」。運転習得にあんなに時間のかかった不器用な私です。犬を褒めることだって、そう簡単にできるようになるはずありません。しかし、あんなに怖かった大通りの右折だって、教官に怒られてばかりだった細い道でのすれ違いだって、今ではもう大丈夫。犬を褒めることだってきっと・・。
今私は、胸を張って言えます。犬を上手に褒めることができるように私を後押ししてくれたのは、あのときのあの時間だったと・・。 (つづく)