[犬愛しつけ法]犬の吠え癖を止める法2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

科学の輝き(2):蚊だよっ!パンッ!! (第26号, 2006/7/11)

ある夏のこと、犬のまぶたが“おいわさん”のように腫れ上がったことがありました。「どうしたの?大変!!」。慌てた私の脳裏によぎったのは、ついさっき庭で見かけた光景。犬の周りで蚊が飛んでいたのです。

「あぁ~、蚊に刺されちゃったんだね」。そう思った矢先、またもや蚊が!「また刺されちゃったら大変」。犬の真上で思いっきり手を叩きました・・「パンッ!」。

「ほら、しとめたよ」。得意になって両手を犬の前に広げてみたものの、大変です!目をしばたかせ、首をすくめて固まっているではありませんか!「こんなに近くで手を叩かれることなんてないよね。ビックリした?ごめんね」。

「このままじゃ、怖がらせただけで終わっちゃうな」と思った私は、犬の頭の上で手を叩くことを繰り返しました。「あ!蚊だぞ~!」ちょっとおどけて、最初はそーっと。少しずつ強く。最初は犬から離れたところで。少しずつ近くで。何度も何度も。

犬は、私が思い描いていたとおりの変化を見せてくれました。繰り返すごとに慣れ、さっき目を丸くしたあの強さでも大丈夫。「今度蚊を取ってあげるときには、ビックリさせなくてもすむね」。

そのときです!どうがんばったって頭の中を素通りするばかりだったあの難解な一文の意味を、犬が私にそっと教えてくれたのです。

反応を誘発する刺激が繰り返し呈示されれば、その反応の強度が減少する(「メイザーの学習と行動」より)・・「最初はビックリしたことも、繰り返し経験することで慣れていく力がボクにはあるんだよ!」

こうして私はやっと、その意味を理解することができました。私の中でキラリと輝いた知識は、それが誰かの役に立つものであればあるほど明るく輝きます。そして、私たちが迷子にならないように、行くべき道を明るく照らしてくれるのです。 (つづく)

引用文献:メイザー, J.E. (磯 博行・坂上貴之・川合伸幸 [訳])(1999)メイザーの学習と行動 ニ瓶社