パブロフの犬（３）
犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
Ｑ．あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何？
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
パブロフの犬（３）：勘違い（第48号, 2007/2/21）
「それは自業自得！」何の話をしていたときか・・今となってはそれさえ忘れちゃったけど、私がふざけて旦那さんにそう言ったときのことです。
「うん、行く行く！」うちの犬が散歩に行くのかと勘違い。「え？」最初はふたりで顔を見合わせ首をかしげるばかりだったけれど、よくよく考えてみると、私は散歩に出かける前「お散歩、行く？」と必ず犬に言うのです。
「お散歩、行く？」そして散歩に出かける・・繰り返すうちにうちの犬の中の“パブロフの犬”が目覚めた模様。「ベルの音がする --> えさをもらう」この繰り返しによって、パブロフの犬がベルの音に反応するようになったように、うちの犬は私の「お散歩、行く？」に反応するようになり、そしてどうやら「お散歩、行く？」と「自業自得（じごうじとく）」が同じ音に聞こえたらしい。
そういえば、セミナーが終わった後「うちの子“ヨーグルト”って言葉覚えちゃったんですよ」と話かけてくれた人がいたよ。そんな話を聞くと、私はうれしくなってしまう！だって「ヨーグルトよ」って話しかけてもらいながら、その犬の好きなものであるに違いないヨーグルトをもらっている様子が目に浮かぶんだもの。そうでなくちゃ、そうなるはずがない！言葉をその意味や文字から理解するわけではない犬が、何もなしに「ヨーグルト」という音に愛らしい撫薰ｩせるようには決してならない。
そして私は心の中でそっと祈ります。これからもたくさん話しかけてもらえるといいね、人間の言葉に心躍ることがたくさんあるといいね、と。そして願わくば、その心躍る「ヨーグルト」の言葉が、ヨーグルトそのものが、人から愛される行動のごほうびとしてもたらされますように、と。
そうそう、あの子もそうだよ。妹の犬は、私が「いい子だね～」って言うと、見えなくなっちゃうくらい耳を寝せてうれしそうな顔するの。きっと妹も「いい子だね～」って言ってはごほうびあげてるに違いない。ほめ言葉だって、何もなしに犬が喜ぶ言葉にはならない。しかも私は妹と声や話し方がよく似てるから、妹と私の「いい子だね～」が同じ音に聞こえてるんだ・・。
犬の撫薰Lかにし、私たちを犬と言葉でコミュニケーションしているような気分にさせてくれるのは“パブロフの犬”のおかげだね。“パブロフの犬”は、どんな犬の中にもいるよ。あなたの犬の中にも必ず。（おわり）