[犬愛しつけ法]犬の誤飲を防ぐ法2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

ガラスのカケラ(2):とりかえっこ(第50号, 2007/3/11)

ハンカチ、ティッシュ、手袋、お財布・・くわえて欲しくないものを犬が口にしたとき、私は当然のように口をこじ開け無理やり取りあげていました。それをしても、やめるどころか、逃げたり歯をむいたりするのは、犬に問題があるのだと思っていました。

心理学に出会わなかったら、私はいつまでそんな悲しい誤解をしていただろう。すべてを犬のせいにし続けていただろう。

犬は、自分の大切なものを取られるような行動はしなくなっていきます。取られないようにするための行動を身につけます。

くわえているものを決して渡しはしないと、近づく私に顔をそむけるのは、私がそれまで取り上げてばかりだったから。ハブラシのヘッドを噛んで折ったとき、いつもいつも私に手を突っ込まれていたあの子は、取られまいと慌てて飲み込むしかなかった・・。私があの子に教えていたのは「取られないためには、顔をそむければいい、逃げればいい、歯をむけばいい、早く飲み込んじゃえばいい」そんなことだった。

それに気づいたその日から、私は無理やり取り上げることをやめました。あらゆる機会をとらえ「ちょっと見せて」「私にもくれる?」と、犬の好きなものとの「とりかえっこ」を試みるようになりました。取り上げたり口をこじ開けたりするつもりなんてもうないのに、身を堅くし私に顔をそむけるその姿が悲しかった。自分がしてきたことへの後悔と、いつかまた「この人はボクの大事なもの取ったりしないよ!」そんな信頼のまなざしで私を見つめてくれるようになるだろうか・・不安でいっぱいだった。

年月は人を、そして犬を変えます。犬は少しずつ私に「渡す」ことができるようになり、そして私も変わりました。「それはキミの大事なものなんだよね。それなのにありがとう」。心の底からそう思えるようになったとき、私はごほうびと取り替えることの本当の意味を知り、もう迷わなくなったのです。(つづく)