[犬愛しつけ法]犬との信頼関係の築き方2

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

ともだちになろう(2):笑顔の法則 (第59号, 2007/6/11)

犬が遊びに来たとき、頭に入れておくのは「2匹がそろって好きなもの」。

たとえばおもちゃ。ときどき遊びに来るメス犬の“カノジョ”は、おもちゃにはまるで興味なし。だからうちの犬が、ピーピー言わせながら、おもちゃをくわえひとり大はしゃぎしていても、もめる心配なし。

たとえば散歩。うちの犬は、家の中が楽しければ外には興味なし。だから、カノジョが散歩に出掛けても“ご機嫌ななめ”になる心配なし。

食べるもの・・これは「2匹がそろって好きなもの」。だから人間が食事をするとき、2匹はそれぞれハウスに。うっかり食べ物を落としたりすれば、奪い合いになるに違いありません。唸ったり噛みついて手に入れた方は、そうやって奪うことを学習し、奪われた方は警戒するようになる・・そんな学習、この子たちにして欲しくない。

そんなことで、ごほうびをあげることも控えていた私たちだったけれど、ある日聞いてみたのです。「いざというときにほめてあげられるように、順番にごほうびもらう練習してみる?」。それは、旦那さんを相手にうちの犬が練習したあの方法。

万が一のときのため、2匹にリードをつけ、私たちは自分の犬の分を握りました。2匹の前にすわった私が、左右の手に握ったドックフードを2匹同時にあげると・・「アンタ、何もらったのさっ」と“検査”するかのように、カノジョは大きな体をうちの犬に寄せ、口の周りを念入りに嗅ぎ、そこにはキーンと張り詰めた空気が・・。

しかし繰り返すうち、カノジョは本来の優しいまなざしへ戻り、そこで私は、うちの犬にあげた後、間を置いてカノジョへ。ごほうびをもらったうちの犬を横目に、自分の番を待つカノジョに「えらいぞ」とドックフードをあげるようにしたのです。

やっぱりいいな、ほめるって。1匹をほめると「ボクも」「アタシも」ととびっきりの笑顔でもう1匹も飛んできて、いつの間にかその場にいるみんなが笑顔になってる。「アンタたちは得だね。片方がほめられると、自分もほめられるんだから」と私たちはいつも笑うけれど、それでいいんだ。奪ったりせず、もらえるまで待てたことだって、ほめてあげたいことだもの。(つづく)