[犬愛しつけ法]トイレのしつけ方3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

誰がために(3):自問(第66号, 2007/9/21)

我が家では、寝る前に「おしっこは?」とトイレを指さします。おしっこしたら、犬と一緒に寝室へ。ベットでゴロゴロしながら、クシャクシャになるまで頭を撫でてあげます。

庭に出たり散歩に行く前にも「おしっこは?」。おしっこしたらさぁ出発。

私はそれを「トレーニング」だとは思っていない。人間がそう捉えるか否かに関わらず、犬は日々経験する「うれしいこと」をごほうびに学習しているんだということが手に取るようにわかるから、大好きな寝室や庭に行く前に「おしっこは?」と言ってみる。「この学習のチャンスが、この子の将来に役立つことへと生かされますように」と願いながら。

引越しや部屋の模様替えでトイレの位置を変えなければならなくなったとき私がしたのは、トイレを指さし、いつものように「おしっこは?」。トイレの場所がわからなくなって失敗しても、それはキミが悪いんじゃない。私の「おしっこは?」でおしっこした後には、とびっきりのうれしいこと。ひとりでできるようになるまで何度でもそうやって教えてあげるよ。

キミがおじいちゃんになったら、また床に黄色い世界地図を描くようになるのかな。そのとき私はキミに何をしてあげられるだろう。目は見えているだろうか。耳は聞こえているだろうか。食べることはまだ好きかな。ボールを投げてもそれはもうごほうびにならないかもしれないな・・。

私はそのときのキミをそのまま受け入れ、「どうしたら排泄しやすい?」「何がごほうびになる?」とこれまでと同じように考えるに違いない。そしてそのとき、今よりもっと強い気持ちでこう胸を張っていたい。「私の“しつけ”はいつのときも、この子を幸せにするためにあったんだ」と。

私は今日も自分にこう問いかける。私の希望ばかりを優先させ、犬を都合よく変えようとしてはいないか。犬らしく生きることを妨げてはいないか。私が今しようとしていることは、この子を笑顔にすることに本当につながることなのだろうか、と。(おわり)