犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。
1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他
ねぇ聞いてくれる?私、怒られちゃった。
散歩で会ったおじさんと立ち話をしていたときのこと。向こうから車が来て、いつものように脇に寄ると、犬も車を避けるかのように私のすぐ横で腰を下ろし、そこでごほうび。そのときでした。
「ダメだダメだ!犬に“すわれ”って“命令”してないのにエサをやっちゃダメだ」。
「へ?」思いがけない展開に私はキョトン。「あっ、えーっと、これはその・・」一応説明を試みるもあっけなく話題は次へと移り、「これが説明できない私って一体!?」と可笑しくなりながら、昔を懐かしく思い出したのでした。
私も最初そう思ってたなぁ。『犬にゴハンをあげるときには“おすわり”と言って犬をすわらせましょう。言う前に犬がすわった場合、それは犬が人に“命令”していることになります』。
見聞きしたことを、心理学に翻訳して消化することができなかったから、あの頃の私はそっくりそのままそれを信じてみるしかなかった。「うん、わかった。でもそれはゴハンのときだけ?うちの子は、普段自分ですわることもあればふせることもある。それもよくないことなの?犬は人から何か指示されるまで何もしないのが正しいあり方なの?」。ホントかな・・って疑問に思ってもそれを確かめるすべがない!
今はもう大丈夫。ゴハン皿を差し出す前「おすわり♪」と言ってあげるのは、ゴハンをごほうびに「おすわり」と言われてすわることを学習できるからとってもイイコト。でも、言われる前にすわることも、「おすわり」と言われてすわることと同じくらいとってもイイコト。キミが私との暮らしの中で、どこを見て何を学習したのか手に取るようにわかるから、私はキミの「言われなくてもしたおすわり」をほめないわけにはいかない!
え?何をどう学習したのか詳しく説明してくれ?そうだなぁ・・おじさんにはうまく説明できなかった情けない私だけど、やってみるよ。今度こそ納得してもらえるといいんだけど・・よし、リベンジだ!(つづく)