[犬愛しつけ法]動物病院嫌い克服術1

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

驚きの春(1):ある出会い (第91号, 2008/6/1)

動物病院の診察室ではしゃぐなんて、もう2度とないと思ってた・・。

うちの犬は、動物病院があまりスキではありませんでした。待合室ではゴキゲンでも、名前を呼ばれて立ち上がるともう動かない。仕方がないから抱き上げる。すると、なんとか抱かれまいと、回を重ねるごとにドンドンかたくなになる・・。

私はそんなうちの犬のことが心配でした。健康体のときにこんなに緊張してるんじゃ、これから先、歳をとり、体が弱ったり病気をしたとき、この子はどれだけ怖いを思いをすることになるのだろう・・。

そんな状況に変化が生まれたきっかけは、引越しでした。新しくお世話になることにした病院に、私たちは暖かく迎えられました。足を踏み入れるなり「こんにちは」とうちの犬に手を差し出してくださった受付の方。苦手な肛門腺絞りで、すっかり意気消沈のうちの犬にクッキーをあげてくださった先生。その周りには「えらかったね。いやなことされたけど、これで帳消しにしてね(笑)」とう~んとほめてくださった看護師さん方。

そんな病院との出会いが、私に決心させたのです。「最期の最期まで、この子にとって動物病院は“ときどき遊びに行く、大好きな人がいる楽しい場所”であってくれればいい。怪我をしたり病気になったとき、私にできることは少ないけれど、そのときのために病院をスキな場所にしておくことなら私にもできそうだ」。

私は、心理学の知識をフル活用で考えます。どうしたら、動物病院が楽しい場所になるだろうか。病院へ行く間隔は?持って行く物は?そうだ、ごほうびを何種類か持って行こう。さて、それをどう使い分けるのがよさそうか・・。

あれから1年。季節はめぐり、私にとってこの春は、うちの犬の目を見張るような変化を目の当たりにした「驚きの春」になりました。どんなこともあきらめちゃいけないんだな、という思いを強くした春。キミのはじけるような笑顔を診察室でも見れて本当によかったと心から思った春。10回目の春もまた、私にとって忘れられない春になったのです。(つづく)