[犬愛しつけ法]動物病院嫌い克服術3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

驚きの春(3):奥の部屋には・・ (第93号, 2008/6/21)

その日は最初から、何かが少しずつ違っていました。

「自分から診察室に入るなんて!」。いつもならガンとして動かないのに、その日は違っていました。「おいで」と看護師さんが両手を広げると、その胸に飛び込むように診察室へ。

「診察台の上でこんなに自然な撫薰キるなんて!」。いつもなら、体を小さくして震えるばかりなのに、その日は違っていました。「えっ?怒ってる?」歯をむいているからドキッとしたら、どうやら精一杯の笑顔を先生に作って見せていたらしい。先生が顔を近づけたところで頬にチュッ!

「帰りたくない?ウモナしょ?」。いつもなら診察台から降りるなりそそくさと診察室を後にするのに、その日は違っていました。診察室をクンクン冒険・・「気になる匂いでもする?」と声をかけてくださった先生や看護師さんにしっぽをフリフリ自分から“ごあいさつ”。

これだけでも助ェビックリなのに!その日の私の「驚きのバロメーター」はまだまだ上がり続けたのです。それはもう、振り切れんばかりに!

聞きたいことがあった私は、その場で先生と話をしていました。その足元で犬は「遊ぼ遊ぼ・・」と大はしゃぎ。「相手をしていましょうか?」とおっしゃってくださった看護師さんに恐縮しきりでリードを預けた次の瞬間・・

ナント!診察室のそのまた奥、何があるのか私には伺いしれない奥の部屋へと、看護師さんとふたり仲良く消えてしまったのです。奥からは、なにやら楽しそうな笑い声・・。私は本当にビックリでした。あの子がとびっきり元気なのは、きまって「私がいるとき」なのです。私がいなくなった途端不安そうにシュンとしてしまう・・そんなあの子が私のいないところで、しかもほんの数ヶ月前まで入ることさえ嫌がっていた場所を満喫しているなんて!

「ねぇ、あの奥の部屋には何があったの?私にも教えてよ」。そんなことを助手席の犬に聞いてみたくなる帰り道、私は、何種類ものごほうびを持って通い続けたこの1年のことをかみ締めていました。「上手くいくはずだと信じたことを、諦めずに続けてよかったな。検査や入院で私から離れなければならないことがあったとしても、私そっちのけで楽しめるくらいなら安心だ!」。

・・それにしても、今度はもう少しお行儀よくすることも学習しようよ、ネ。大好きな場所、大好きな人たち。この病院が「ごほうび」でいっぱいになった今、飛びついたり吠えたりしていないときに診察室に入る、先生や看護師さんと会えるようにする・・そんな楽しい演出でイイ行動をたくさん学習させてあげるよ、これからは。(おわり)