[犬愛しつけ法]しつけがうまくいく発想転換術3

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

サカサマ(3):目のつけどころ(第99号, 2008/9/21)

それは私の憂鬱の種でした。 とにかく散歩がうまくいかないのです。風が吹いただけでもう歩かない。しかもそれは、横断歩道のド真ん中でもガンとして動かない筋金入り! かと思えば、犬を、猫を、あるいはハトを見つけるなり突然走り出す・・。 私は不思議でした。となりの犬もお向かいの犬も、みんなテクテク散歩してるのに。「ほかの犬にできることが、どうしてできないの?そういやキミは、トイレでおしっこできるようになるのにも1年以上かかったねぇ」・・ちょっと待てよ。それは犬だけの問題なのか?私が「逆だから」ということはないのか? まずは「できる範囲」で。トイレから遠くないところにいれば間に合うことが多いことに気づいて、「そろそろヤバイぞ」と思ったらトイレの近くにいるようにしたっけ。その距離で当たり前のようにトイレまで行けるようになった後、少しずつ離れていても大丈夫になったんだよな。 まずは「できる条件」で。買ってきたばかりのおもちゃに大興奮!ちっともおすわりしてくれなくて「どうしてできないの?」と嘆いてばかりだったけど。まずは興奮度の小さい「いつものおもちゃ」で『おすわり♪』。それが当たり前のようにできるようになった後、少しずつ興奮しているときにもできるようになったっけ。 「いつできないのか」ではなく「いつならできるのか」・・目のつけどころを「逆」にするんだ! 私は比較的落ち着いて歩ける朝の静かな遊歩道を毎日のお散歩コースに決め、ジグザグに歩いたり、早足にしてみたり、急に止まってみたり・・歩調を合わせてくれたときにごほうびをあげることを繰り返しました。「理想にはほど遠くても、今日のこの子に心からの拍手を送ろう。すべてはそこから始まるんだ」・・こうして遊歩道での散歩に余裕ができた頃、私たちの行動範囲は少しずつ広がっていったのです。 もしも私の犬を見る目がサカサマのままだったら、私はいつまでもキミをほかの犬と比べて嘆き続けていただろうな。「何ができないか」より「何ならできるのか」。「どうしたら失敗しなくなるのか」ではなく「どうしたら上手にできるのか」。これからも私は毎日、キミの「イイトコロ」を数えるよ。だって私がキミにする「しつけ」は、ほめてあげられるところをたくさん作って、キミのそして私の笑顔を増やすためにあるんだもの!(おわり)