一期一会(1)

犬を上手くしつけるのに大切なこと。それは愛情を持って犬をしつけること。実際に深い愛情を持って犬をしつけた人の体験が元になっているこの連載。犬のしつけに悩んでいる人にぜひ読んで欲しい。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

一期一会(1):キミの名は(第106号, 2009/1/5)

つくづく思うよ。キミにユニークな名前をつけてあげてよかったなって。

誰かがウチの犬の前で足をとめてくれたとき、私は名前を呼びながら犬に話しかけます。「“コンニチハ”だね、ルパン」。「体なでてもらってアリガトウだね、ルパン」。

それは、知らない人と一緒でも、あの子にいつもと変わらない楽しい気分でいて欲しいから。でもそれだけじゃない。そのユニークな名前のおかげで、会話がこう続いていくんだもの!

「へーっ! 名前、ルパンちゃんっていうの?」

そしてそれは、50%の確率でさらにこう続く。「・・で、それはアルセーヌルパンの“ルパン”? それともルパン三世の“ルパン”?」

そう突っ込まれるのがなんとも気恥ずかしくて、人前でキミの名を呼ぶのが苦手だった私も、今じゃちっとも嫌じゃないよ。だって私たちがその話題で盛り上がれば盛り上がるほど、キミはその会話の中で何度も何度も名前を呼ばれ、ゴキゲンでいられるんだもの。

「・・そうだなぁ、どちらかっていうとルパン三世の“ルパン”かな。ワルのくせに憎めないヤツだった、由来はそんなところ!」。「そうかぁ、だからルパンちゃんって言うのかぁ。ところで、この“ルパン”は、ルパン“ちゃん”なの? ルパン“くん”なの?」・・。

それが「はじめての出会い」でも。「あ、ルパンくんだ!」と駆け寄ってくれた「“また会えたね”の出会い」でも。「今、この瞬間の出会い」のひとつひとつを大切にしたいから、「よかったね、ルパン♪」「楽しいね、ルパン♪」・・今日もやっぱり私は会話にその名を織り交ぜる。キミがいつまでも人見知りしない犬でいられるのは、そんな一瞬一瞬の積み重ねがあるから、きっとそうだ・・。

今年のキミにも、たくさんの出会いが待ってるといいな。そしてそのときには、私もそばにいさせてくれる? それがキミにとってすばらしい経験になるように、キミの名前を元気に明るく呼んであげたいんだ。・・ね、ね、いいでしょ? ル・パ・ン! (つづく)