クリッカー基本トレーニング

クリッカーなるものをご存知だろうか。心理学を元とするこのツールは、犬とのコミュニケーションを可能にするという。果たして何ができるのか。犬と人との未来に何が待ち受けているのか。最新の「しつけの科学」をレポートしよう。

Q.あることをすると犬のストレスが減り、しつけにいい影響を及ぼすと言われていることがあります。それは何?

1. 声かけ
2. おやつ
3. マッサージ
4. その他

”おすわり”を教える!

これから、クリッカーを使って「おすわり」を教えようという方!以下の方法がおすすめです。

1. 左手にクリッカー、右手にご褒美を小さくちぎったものを持ちます。
2. 犬の鼻の上あたりにご褒美を持っていきます。そのまま、犬のお尻の方向にご褒美をゆっくり移動します。犬の頭が上を向いてきますね?それと同時にお尻がストンと床に落ちるはずです。その瞬間にクリッカーを「カチン!」と鳴らします。
3. これを繰り返していくうちに、徐々に、ご褒美を犬の上に持っていっただけで犬が座るようになります。犬のお尻がストンと床に落ちた瞬間にクリッカーを「カチン!」と鳴らし、「おすわり」など、あなたが決めた号令をかけます。
4. この繰り返しによってあなたの犬は、「おすわり」の号令と、おすわりすることを結びつけて学習します。

*** 注意 ***

まず最初に、「おすわり」など、教えている行動を繰り返し練習し、その行動が上手にできるようになってから、それに対する号令を教えます。クリッカーを使ってトレーニングをすると、教えた行動(この場合は「おすわり」)を徐々に上手に、スピーディーに行うことができるようになります。そうなったら、教えていることをやった瞬間に号令をかけます。この繰り返しによって、助ェにやっている行動と号令が結びついて初めて、「号令に犬が従う」ことができるようになります。

なぜ最初から、犬に「号令をかけてからおすわりさせる」のではなく、「おすわりさせた瞬間に号令をかける」のでしょうか?おすわりを助ェに練習していないうちには、号令をかけてもおすわりできませんね。そして、「おすわり」という号令がどういうものなのかを知らないうちには、当然、犬は「おすわり」と言われてもおすわりしませんね。「おすわり」と言われても、おすわりしない経験が積まれると、犬は、「おすわりと言われたときには、おすわりしなくていいんだ・・」と学習してしまいます。そのため、号令をかけて従わせる段階になるまでに、繰り返しその行動を練習し、行動を取った瞬間に号令を言う、というトレーニングをする必要があります。

”おすわり”に磨きをかける!

すでに、「おすわり」をする!というわんちゃんは、以下の方法で、さらに磨きをかけて、お行儀の良い子になりましょう!

1. 左手にクリッカー、右手にご褒美を小さくちぎったものを持ちます。
2. 犬が自主的におすわりするのを待ちます。おすわりした瞬間、つまり、犬のお尻がストンと床に落ちた瞬間にクリッカーを「カチン!」と鳴らします。
3. これを繰り返していくうちに、犬は頻繁におすわりするようになります。おすわりした瞬間に「カチン!」と鳴らし、「おすわり」など、あなたが決めた号令をかけます。

4. この繰り返しによってあなたの犬は、「おすわり」の号令と、おすわりすることを結びつけて学習し、号令に従うことができるようになります。それと同時に、おすわりという姿勢が、犬にとって良いことが起こる「楽しい姿勢」として学習されます。

*** 注意 ***

1. 一度かけた号令には、必ず従わせましょう!

「おすわり」と号令したのに、あなたのわんちゃんは知らん顔しています。そんな時どうしますか?「気分が乗らないのかしら・・」「機嫌が悪いのね・・」と勝手に解釈してあきらめてはいけません。一度かけた号令には、必ず従わせましょう。多少おすわりできるように誘導しても高「ません。号令をかけたのに、従わないことが繰り返されると、「号令は無視してもいいんだな」と学習してしまいます。

2. 1度の号令で従わせるようにしましょう!

「おすわり」と号令してもおすわりしないと、もう一度「おすわり」と言いたくなりますね。ところが、何度も号令を繰り返すと「何度もしつこく号令がかけられるまでは、従わなくてもいいのかな」と犬は学習してしまいます。できるだけ、1度の号令で従わせること、そして、一度号令をかけたら、多少誘導してでも従わせることが大切です。

号令に従わないときには、号令と行動が犬の中でしっかりと結びついているかどうかを再度考えてみる必要があります。号令によっておすわりさせるのをちょっと中断し、再度、おすわりした瞬間に号令を言う、というひとつ前にステップに戻ってみることも必要です。

また、1度の号令で従わせるためには、号令の前に犬の注意をあなたに向けさせることも必要です。「おすわり」と言う前に、「ポチ」と名前を呼び、あなたと犬が

アイコンタクトできていれば、きっと「次の号令はなーに?」とあなたの口から発せられる号令に犬は注目するはずです。