犬のしつけの第一歩、トイレトレーニング。4匹の犬の体験談をご紹介します。
1. 無視する
2. 音をさせる
3. おやつをあげる
4. その他
トレーニングは「記録期間」「トレーニング期間」「仕上げ期間」の3つのステップに分かれています。各ステップを始めるときに、私から飼い主さんへ、以下のことをお話ししました。
数日間、いつ、どこで犬が排泄したのか、記録をつけることだけをします。犬にトイレを教えることは一切しません。
・いつ(排泄した時間)、どこで(排泄した場所)おしっこやうんちをしたのかを記録しましょう。
いよいよトイレトレーニングの始まりです。どこでおしっこ・うんちをすればいいのかまだわからない子犬に、トイレを教えるステップです。
・自分でトイレに行って排泄したら、その後すぐにご褒美をあげましょう。
・トイレ以外の場所で排泄してしまう前に、トイレに連れていってあげるようにしましょう。排泄できたらご褒美をあげます。
・トイレに連れていってあげるときには、できるだけ犬が自分の足で歩いてトイレまで行くように仕向けましょう。
・トイレ以外の場所で排泄してしまったときには、目を合わさない、話しかけない、触らないようにして、消臭剤で臭いを取りましょう。
ご褒美は必ず、排泄した直後にあげてもらいました。トイレで排泄したものの気がつくのが遅く、排泄した直後にあげられない場合には、ご褒美はあげません。犬はご褒美をもらった直前の行動を学習します。人間はトイレで排泄したことに対してご褒美をあげたつもりでも、犬がすでに別ことしていたら、その「別のこと」を学習させてしまう恐れがあるからです。 犬が自分の足で歩いてトイレまで行くように仕向けるときには、おやつを小さく切ったものを犬の鼻のあたりに持っていき、それをトイレの方向へ移動させるようにします。おやつに導かれるようにトイレに乗ったらそのおやつを与えてあげます。(これは、トイレまで歩くことができたことに対するご褒美です。)その後、排泄するまで待ち、排泄したらご褒美です。
トイレで排泄できるようになったら、仕上げをします。ご褒美をあげる回数を減らしたり、トイレに連れていくことをやめても、自分でトイレに行って排泄できるかどうかを確認しました。
・トイレに連れていくのをやめましょう。 ・ご褒美は、3回に2回、2回に1回、3回に1回というように、徐々に減らしていきましょう。
飼い主さんには、全期間にわたって以下の事柄を記録していただきました。この記録は、本書の中で出てくるグラフの元データとなっています。
- 排泄した時間
- おしっこかうんちか
- トイレでの排泄か否か
飼い主さんが犬の排泄の様子を目で見て確認できる時間帯の排泄に関して記録していただきました。飼い主さんが外出しているなど、犬の排泄の様子が確認できないときの排泄については、どこで何回くらい排泄したと思われるか、残っている排泄物から推測し、わかる範囲で記録を残していただきました。ただしこの記録は参考値として扱われ、グラフデータからは除外されています。 そのほか、参考事項として、ゴハンや遊び、留守番、お昼寝など、犬の生活についても記録していただきました。これは、どんなイベントの後に排泄が起こることが多いのかを把握することが、トイレに連れていくタイミングを計る際の参考になるからです。
トレーニングは、犬と一緒にいる時間に実行していただきました。お仕事などで、常に犬と一緒にいることができない方は、在宅のとき(犬と一緒にいるとき)だけトレーニングすることになります。
トイレには、いつでも同じ材質のものを敷くこととしました。敷くものは、ペット用トイレシートでも、新聞紙でも、何でもかまいません。今回は、いずれの方も吸水性のペット用トイレシートをご使用になりました。
トイレは、ご家族が集う部屋に設置することとしました。目の行き届く場所にトイレを設置することで、排泄した後すぐにご褒美をあげたり、排泄しそうな様子を見逃さずトイレに連れていくことができるようにするためです。 またトイレは、できるだけよく排泄する位置に設置します。自分からトイレに行って排泄する確率が高ければ高いほど、トイレに連れて行かなくても、ご褒美をあげるだけでトレーニングを進めることができるからです。
トイレの数は原則ひとつとしました。ただし今回のプログラムでは、留守番中に使うトイレと、それ以外のときに使うトイレを分け、トイレをふたつ設置したケースもあります。
犬は排泄する前にクルクルと周ることがあります。「クルクル周っているうちにトイレからはみ出たりしないような大きさ」を基準にトイレの大きさを決めることとしました。